歯が痛い!は虫歯以外でも起こる【歯痛の原因について】
こんにちは。
大阪市北区 南森町 の歯医者さん 増田歯科・矯正歯科の理事長 増田智基です。
みなさんは、歯が痛くなった時真っ先に何を思い浮かべますか?
ほとんどの方が「虫歯じゃないのかな」と考えるかと思います。
しかし、実は歯の痛みは、虫歯以外でも起こる可能性があるのです。
こちらの記事ではそんな”歯の痛み”について解説します。
1、歯の構造
・エナメル質
・象牙質
・歯髄(神経)
・セメント質
2、虫歯で歯が痛いと感じるメカニズム
3、虫歯以外の原因
・知覚過敏
・破折、ひび割れ
・咬合性外傷
・歯周病
・その他
4、対処法
5、まとめ
1、歯の構造
歯は、私たちが食事や会話をする際日常的に使う重要な組織です。
その構造は一見1つの塊のように見えるかもしれませんが、内部を見てみると何層にも分かれたような設計をしています。
・エナメル質
最も外側にあるのは、エナメル質と呼ばれる硬い層です。
エナメル質は人工的に作り出すのが難しいほど硬い物質で、食べ物や飲み物との接触に耐え、歯を守る役割を担っています。
しかし、そんな硬い層でも一度損傷を受けると、再生は不可能です。
ですので、まずはこのエナメル質の損傷(虫歯や破折)を予防することが非常に重要です。
・象牙質
エナメル質の下には象牙質と呼ばれる層があります。
象牙質はエナメル質よりも硬さは劣りますが、歯の内部を支えてエナメル質からの熱や冷たさへの感受性を和らげる役割を果たしています。
象牙質には小さな管が通っており、これらの管を通じて歯の神経に熱や刺激が伝わります。
・歯髄(神経)
続いてその内部、図の3層目濃いピンクの部分には、歯髄と呼ばれる神経組織が存在します
歯髄は歯の感覚を制御し、刺激に対する反応を伝えます。
歯髄は虫歯や損傷によって感染することがあり、これが強い痛みを引き起こす原因となります。
・セメント質
歯の根と歯を支える骨(歯槽骨)の間には、セメント質と呼ばれる特殊な組織があり、この組織のおかげで歯を顎骨に固定することができます。
歯の周りの組織と連携して、歯を安定させる役割を果たします。
2、虫歯で歯が痛いと感じるメカニズム
虫歯は、細菌によって引き起こされます。
私たちのお口の中には常に細菌が存在しているのですが、食事の際に糖を摂ると、この細菌が歯の表面に集まってきます。
これらの細菌が糖分をエサとしてエネルギーに変える際に、「酸」が生成されます。
この「酸」が歯の表面「エナメル質」を侵食し始めて、虫歯が発生するのです。
こちらの段階では、進行のスピードもそんなに速くはありません。
しかしそれから進行が進みエナメル質が侵食されると、次に象牙質と呼ばれる歯の内部に細菌が進入します。
象牙質はエナメル質よりも柔らかいため、侵食されるスピードも速くなります。
この過程で、神経である「歯髄」に刺激が伝わって、歯が痛みを感じるようになります。
歯の痛みは、この過程が進行するにつれて悪化することがあります。
初期の段階では、歯に対する刺激が軽度で、歯の痛みも軽い場合がありますが、
虫歯が進行すると症状が増強し、特に甘い食べ物や冷たい飲み物を摂る際に痛みが強く感じることもでてきます。
「歯髄」にまで進行した場合は温かい食べ物でも痛んだり、場合によっては何もしなくても痛い「自発痛」が起こったりします。
まずはエナメル質の浸食を防ぐこと、象牙質まで進行した場合はできるだけ早く治療によって進行を止めることが重要です!
3、虫歯以外の原因
しかし、歯の痛みは虫歯だけではありません。
下記のように、原因や痛みの発生部分にもいくつか種類があります。
・知覚過敏
知覚過敏は、歯のエナメル質が薄い場合や歯髄への刺激によって引き起こされます。
通常、健康な歯はエナメル質の硬い保護層で覆われており、冷たさなどの外部刺激から神経を守っています。
しかし、次のような場面で刺激が神経に直接伝わることがあります。
エナメル質が薄い: エナメル質が薄くなると、歯の神経に刺激が伝わりやすくなります。
元々体質でエナメル質が薄い方もいれば、歯磨きでの過度の圧力、酸性の飲食物の習慣的な摂取など日常生活が原因となって引き起こされる場合もあります。
歯根の露出:加齢や歯周病などにより歯茎が後退すると、歯の根部が露出し、歯髄(神経)への刺激が増加します。
これにより、冷たい、熱い、甘い、酸などの刺激に対して敏感になります。
知覚過敏への対処法としては、知覚過敏専用の歯磨きペーストやフッ素の塗布での歯の補強、程度によっては詰め物や被せ物での対応をすることもあります。
・破折、ひび割れ
かみあわせの不具合や突発的な衝撃により歯が割れたり欠けたりすると、エナメル質が損傷します。
この損傷により歯の内部に細菌が侵入し、神経が露出したり歯髄に刺激が及んだりすることによって痛みが生じます。
軽度の破損の場合は、形を整えたのち詰め物や被せ物を使用することで修復することができます。
詰め物は歯の欠けた部分を埋め、被せ物は帽子のように歯全体を覆うことによって、
それそれ外部から神経を保護してくれます。
一方で、歯の破損が深刻で神経への影響が大きい場合は、歯髄の治療(根管治療)が必要となることがあります。
この治療では、歯の神経を取り除き、歯内の細菌や炎症を取り除くことで感染の拡大を阻止する治療で、通院には期間も回数もかかります。
感染がおちついた後は、失った組織を被せ物で保護して機能を回復します。
そして最も重度の歯の破損の場合は、抜歯が必要となることがあります。
これは、歯を救うための他の選択肢がない場合や、周囲の歯に影響を及ぼす場合に選択される処置です。
抜歯後、欠損した歯を置き換えるために入れ歯やインプラントが選択肢として検討されます。
・咬合性外傷
咬合性外傷は、特定の歯に対する過度の圧力や不適切な噛み合わせによって引き起こされる痛みです。
正常な咬み合わせでは、噛んだ時に上下の歯が均等に圧力を分散して受けているため、歯にそれほど負担がかかりません。
しかし、噛み合わせの不具合やズレがある場合、特定の歯に過度な圧力がかかり、歯の神経へ刺激が加わることによって痛みが引き起こされることがあり
これを「咬合性外傷」と呼んでいます。
歯の痛みは、咬む、冷たいものや熱いものの飲食など日常的な活動やストレスから来る食いしばりによってさらに悪化することがあります。
・歯周病
歯周病は、細菌によって歯茎に炎症が起きたり、歯を支える骨を失ったりする感染症です。
初期では歯茎が腫れ、出血するなどの症状のみですが、進行すると歯周組織が破壊されて歯がグラグラと揺れるようになります。
ここでの「痛み」は、主に以下のメカニズムによって引き起こされます。
歯周組織の炎症: 歯周病に伴う歯周組織の炎症は腫れや触れると痛みの原因となります。
歯周組織の破壊: 歯周病が進行すると、歯周組織(歯肉や骨)が破壊されます。
これにより、歯が支えられていた組織が失われ、歯が不安定な状態になることで
歯の神経や外部組織への刺激が増大し痛みの原因となります。
歯根の露出: 歯周病の進行によって歯茎が後退すると、それまで歯茎にまもられていた歯根が露出し
歯髄や神経に対する刺激が伝わりやすくなります。
これにより、神経が刺激に対して過敏に反応することがあります。
・その他
上述の症状は、歯に”直接”原因がある痛みです。
しかしこれら以外に、歯”以外”に原因がある以下のような痛みのパターンもあります。
・関連通
・筋、筋膜性歯痛
・神経障害性歯痛
・神経障害性歯痛
・心臓性歯痛
・上顎洞性歯痛
・気圧性歯痛
・心理的、精神的要因による歯痛
・突発性歯痛
これらの症状は原因の特定が難しく、時に治療が困難な場合もあります。
4、対処法
歯が痛む場合、安易な自己診断や自己治療は避けていただきたいと思っています。
その場しのぎの対処でかえって症状が進行したり、間違った自己判断で原因が悪化したりする可能性があるからです。
歯の痛みの原因を正確に特定して適切な治療を受けるためには、歯科医院を受診することが最も効果的な対処方法です。
早期の診断で治療が最小限で済み、さらにその後の合併症も防ぐことができます。
ですので、歯医者さんが苦手な方や忙しくて通院回数を最小限でおさえたい方ほど、できるだけ早く受診することが重要です。
5、まとめ
歯が痛むとき、その原因は様々ですが、すべての痛みに共通して正確な診断と適切な治療が必要不可欠です。
自己診断や自己治療をせずに、歯科医院を受診して専門家からの診断を受けましょう。
早期発見と早期の治療は、症状の緩和だけでなくその周りの組織の保護にもつながり、お口の健康維持にとっても効果的です。
歯が痛いと心配なだけではなく日常的にもお困りごとが増えてきますよね。
当院では様々なお痛みに対し、カウンセリングを通して皆様とコミュニケーションをとりながら治療を行っております。
また、麻酔を効果的に使用した無痛治療も行っております。
歯医者さんが苦手な方やご不安がある方でも、お気軽にお越しくださいね!
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理事長/院長 増田智基