乳歯が抜けない?大人になっても残る乳歯「大人乳歯」の対処法
こんにちは。
大阪市北区 東天満 地下鉄南森町駅・JR大阪天満宮駅からすぐにある 増田歯科・矯正歯科です。
子どもから大人に成長する過程では、乳歯が自然に抜けて永久歯に生え変わることが一般的です。
しかし、中には大人になっても乳歯が残り続ける場合があり、「大人乳歯」と呼ばれることもあります。
「いつか抜けると思っていたのに、成人しても乳歯が抜けない」と悩む方もいらっしゃるかもしれません。
乳歯が抜けないことにはいくつかの原因が考えられますが、放置しておくと歯並びや口の健康に影響を及ぼすことがあります。
この記事では、乳歯が抜けない主な原因、リスク、そして適切な対処法について解説します。
大人になっても乳歯が残っている!大人乳歯って?
大人になっても乳歯が残っているという状況に直面した場合、驚かれる方が多いかもしれません。
乳歯は子供の成長過程で抜けて永久歯に生え変わるはずですが、何らかの理由で永久歯が生えてこなかったり、乳歯が残り続けることがあります。
このような状態は「大人乳歯」と呼ばれることがあります。
では、なぜ大人になっても乳歯が残っているのでしょうか?
乳歯が抜けない原因とは?
乳歯が抜けない原因は人それぞれ異なりますが、主に以下のような理由があります。
1. 永久歯が生えない、または遅れている
乳歯が抜けるのは、通常、下に生えている永久歯がその乳歯の根を押し出すからです。
しかし、何らかの理由で永久歯が生えてこなかったり、遅れて生えてきたりすると、乳歯はそのまま残ります。
永久歯の芽が発育しないなどの場合、乳歯はしっかりと歯茎に残り続け、抜けなくなります。
2. 乳歯の根が長いまたは強固に固定されている
乳歯の根が通常よりも長く、または強固に固定されている場合、乳歯はなかなか抜けません。
これは、歯の成長過程において、根が吸収されるべきタイミングで吸収が十分に行われていないからです。
このような場合、歯科医師によって乳歯を抜く必要がある場合もありますが、自然に抜けるまで待つことができる場合もあります。
3. 永久歯の位置がズレている
永久歯は、乳歯の下に正しく位置して生えることが理想です。
しかし、歯の位置がズレていたり、他の歯と干渉したりしている場合、乳歯は適切に押し出されることなく残ることがあります。
特に、歯が密集している場合や顎が小さく歯が生えるスペースが狭い場合は、永久歯が正常に生えないことがあるため、乳歯が抜けないまま残り続ける可能性が高くなります。
乳歯が抜けない場合のリスク
乳歯と永久歯には構造的な違いがあります。
そのため、乳歯が抜けずに残っていると、次のようなリスクがあります。
1. 歯並びやかみ合わせに影響を与える
乳歯が残ったままだと、その周囲の永久歯が生えるスペースを確保できません。
結果として、永久歯が傾いたり、本来の位置ではない場所から生えてしまい、歯並びが悪くなることがあります。
これが続くと、歯列が乱れたり咬み合わせが悪くなったりして、将来的に矯正治療が必要になってしまいます。
2. 虫歯や歯周病のリスクが高まる
乳歯が残ることで、歯が並ぶスペースが狭くなり、歯の隙間に食べかすが残りやすくなります。
この環境は、虫歯や歯周病の原因となる細菌が繁殖しやすく、口腔内の健康に悪影響を与える可能性があります。
3. 周囲の歯に影響を与える
乳歯が生え変わりの時期には抜けず、永久歯が生え終わった後、大人になってから抜けると、その場所に不自然なスペースができてしまいます。
歯は隣接する歯とバランスを取り合っているため、1本の歯がなくなると、そのバランスが崩れてしまいます。
これにより、隣の歯が傾いたり、噛み合う歯を探して伸びたり(挺出)することがあります。
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こういったあらゆるトラブルを避けるために、できる限り早期の受診が重要です。
大人の乳歯は、永久歯の代わりになるの?
大人の乳歯は永久歯の代わりを果たせるのでしょうか?
結論から言うと、乳歯は大人になってからも機能することがあるものの、永久歯としての役割を完全に代替することは難しいとされています。
1. 乳歯は「一時的な歯」であり、永久歯の代わりにはならない
乳歯は、成長過程で自然に抜けて永久歯に置き換わることを前提として生えています。
そのため、乳歯は大人になった後に完全に永久歯の役割を果たすことはできません。
特に、乳歯は永久歯に比べて歯根が短く、強度や耐久性も低いため、長期間の使用には限界があります。
2. 残った乳歯は「仮の歯」として機能する場合がある
ただし、乳歯が抜けずに残っている場合、短期間であれば仮の歯として機能することがあります。
特に、永久歯が発育していない、または生えるスペースがない場合、残った乳歯がそのまま使われることもあります。
これにより、歯並びや噛み合わせが急激に悪化するのを防ぐことができます。
ただし、この乳歯が完全に永久歯の代わりとなるわけではないため、あくまでも一時的な仮の歯としての使用にとどまります。
長期間使用する場合は、歯科医院での経過観察が必要です。
乳歯が抜けない場合の対処法
乳歯が抜けない場合の対処法は、個別のケースによって異なります。
1. 歯科でのチェックと診断
乳歯が抜けないと感じたら、まずは歯科医院で診てもらうことが重要です。
レントゲンを使って乳歯・永久歯それぞれの位置や成長の状態を確認し、必要に応じて治療計画を立てます。
2. 治療を受ける
■乳歯を抜く
永久歯が全く生えてこない場合や、それによって永久歯の生え方が非常に悪い場合は、乳歯を抜くことが考慮されます。
乳歯を抜くことで、残りの歯や口腔内のスペースを調整することができます。
また、乳歯の下に永久歯が埋まっているケースでは、乳歯を抜くことで生えてくるのを待つか、一緒に抜くのかなど、状況によってその後の対応が検討されます。
■歯列矯正
永久歯の位置や歯並びに問題がある場合は、歯科矯正治療が有効です。
矯正治療では、乳歯の存在によってガタついてしまった永久歯を少しずつ正しい位置に動かします。
■インプラント
乳歯が残っていただけでなく、永久歯が先天的に欠損(生えてこない)であるケースでは、インプラントも治療法の1つです。
インプラントは自分の歯と同じような構造をしていて、周囲の歯を削ることなく人工歯を立てることができます。
先天的な永久歯欠損であれば、保険は効く?
乳歯が全て永久歯に生え変わり問題の無い方は、一般的に歯列矯正やインプラント治療は保険の対象外です。
この場合、「自分の永久歯欠損は生まれつきの症状だから、保険内で治療できるのでは?」と思う方もいらっしゃるかと思います。
実は、先天的な永久歯欠損の場合でも、保険が適応になるにはいくつか条件があります。
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【保険適応の条件】
・永久歯の欠損が6本以上ある場合に「先天性部分無歯症」と診断されること
・機能回復を目的とした治療であること
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この診断を受けた場合、国が指定する医療機関に限り、矯正治療や補綴治療(被せ物・義歯)に加えて、条件によってはインプラント治療も保険で行える可能性があります。
ただし、適用の可否や治療範囲は症例ごとに判断されるため、歯科医院での診査・診断が必要です。
まとめ
乳歯が抜けないままでいると、心配ですよね。
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【監修】
増田 智基(ますだ ともき)
歯科医師/医療法人健誠会 増田歯科・矯正歯科 理事長・院長
大阪市北区・南森町で歯科医療に従事し、成人矯正・小児矯正・インプラント・審美歯科・予防歯科まで幅広く対応。インビザラインプラチナプロバイダーとしての豊富な症例実績をもち、国際口腔インプラント学会認定医や咬み合わせ認定医として専門性の高い診療を行っています。
所属学会:
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国際口腔インプラント学会(ICOI)認定医
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日本成人矯正歯科学会
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日本顎咬合学会(咬み合わせ認定医)
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日本一般臨床矯正研究会
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日本咬合育成学会
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SJCD/COKI(古希の会)/GPO
受講研修:
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GPO矯正レギュラー・アドバンスコース
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顎顔面矯正/咬合育成(小児)コース
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筒井塾咬合療法/OSIインプラントアドバンスコース
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