【アレルギー性鼻炎は要注意】アレルギーで歯並びが悪くなる原因と対策
こんにちは。
大阪市北区 南森町 増田歯科・矯正歯科で理事長をしております 歯科医師の増田です。
アレルギーのお子様がいらっしゃるご家庭では、
「アレルギーと歯並びに関係がある」
ということを耳にして、心配に思う方も多いかもしれません。
実は、アレルギーが原因で歯並びや顎の成長に影響を与えることは実際にあります。
アレルギーの症状として歯列不正が起こるのではなく、鼻呼吸の阻害や食生活の変化が、間接的に歯並びに影響を及ぼす可能性があるのです。
本記事では、アレルギーが歯並びに及ぼす具体的な影響や原因、そして歯並びを整えるための具体的な対策について詳しく解説します。
1,アレルギーとは?
2,アレルギーが歯並びに影響を与える理由
3,アレルギーによる歯並びへの影響を防ぐには
4,早期発見の重要性
~まとめ~
1,アレルギーとは?
私たちの体には、ウイルスや細菌などの外から入ってくるものから自分を守る 「免疫」 という仕組みがあります。
でも、この免疫が 必要のないものにも過剰に反応 してしまうことがあります。
例えば、花粉や特定の食べ物、ほこりなど、本来なら体に害のないものに対しても 「敵だ!」 と判断し、体が反応してしまうのが アレルギー です。
アレルギーにはいろいろな種類があり、例えば次のようなものがあります。
- 食物アレルギー(特定の食べ物を食べると体に反応が出る)
- アトピー性皮膚炎(皮膚にかゆみや湿疹が出る)
- 花粉症(アレルギー性鼻炎)(春や秋になるとくしゃみや鼻水が止まらなくなる)
- アレルギー性結膜炎(目がかゆくなったり充血する)
- 気管支喘息(ぜんそく)(咳が出たり、息がしづらくなる)
- 薬や虫に対するアレルギー(薬を飲んだり、虫に刺されたりすると体に異常が出る)
また、アレルギーの症状には、くしゃみや鼻水、皮膚のかゆみや湿疹、目のかゆみ、咳(せき)、呼吸がしづらくなるなど、さまざまなものがあります。
2,アレルギーが歯並びに影響を与える理由
アレルギーのお子様をお持ちの方は、不安に感じられるかもしれませんが、アレルギーの症状として歯列不正があるのではありません。
他症状によって間接的にお口周りの発達が阻害されたり環境が悪くなったりすることで、歯並びが悪く”なりやすい”のです。
1. 鼻炎や花粉症による口呼吸
アレルギー性鼻炎や花粉症などの症状により、鼻が詰まって鼻呼吸が困難になると、口呼吸が習慣化しやすくなります。
口呼吸は、顎や顔の筋肉のバランスに影響を与え、以下のような歯並びの問題を引き起こす可能性があります。
- 上顎の狭窄(きょうさく): 舌が上顎に正しく当たらないため、上顎が十分に成長せず、狭くなることがあります。これにより、歯が並ぶスペースが不足し、歯並びが乱れる原因になります。
- 出っ歯や開咬(かいこう): 常に口が開いた状態でいると、上の歯が前に突出する「出っ歯」や、奥歯が噛み合うものの前歯が閉じない「開咬」といった問題が生じることがあります。
- 下顎の後退: 口呼吸が原因で顔の筋肉や姿勢に影響が及び、下顎が後方に下がる「下顎後退」の状態を引き起こすことがあります。
2. 食事内容の変化による咀嚼不足
アレルギーのある方は、特定の食材を避ける必要があるケースもあります。
その中でも、食事の内容が柔らかい食品中心になってしまった場合は注意が必要です。
咀嚼(そしゃく)の回数や硬いものを噛む力が不足すると、顎の発達が十分に進まず、歯が並ぶためのスペースが不足することがあるからです。
- 例: 小麦アレルギーや乳製品アレルギーにより、柔らかい食品が主食になるケース。
- 影響: 顎の成長が不十分となり、歯並びが乱れる原因となります。
3. アレルギー薬の影響
抗アレルギー薬の使用が長期化すると、副作用としてお口が乾燥しやすくなります。(ドライマウス)
唾液は歯や歯茎の健康を守るために重要な役割を果たしますが、唾液が減少すると以下の問題が生じます。
- 歯周組織や顎の骨への刺激が減少し、歯列が不安定になる。
- 口腔内の健康が損なわれ、歯周病や虫歯のリスクが増加する。
4. 睡眠の質の低下
アレルギー症状、特に鼻づまりや花粉症は、睡眠の質に影響を与えることがあります。
子どもの成長期に睡眠が妨げられると、成長ホルモンの分泌が不足し、顎や顔の骨の発達が遅れることがあります。
その結果、歯並びが悪化する可能性があります。
3,アレルギーによる歯並びへの影響を防ぐには
前述のとおり、アレルギーの症状として歯並びが悪くなるわけではないので、事前に対策を知っていれば影響を最小限に抑えることもできます。
1. 鼻呼吸を促進する習慣をつける
鼻呼吸を習慣化することで、口呼吸が原因の歯並びトラブルを防ぐことができます。
アレルギー症状が原因で鼻呼吸が難しい場合は、耳鼻科での治療や専用のケアを行うことが重要です。
- 具体例:
- アレルギー薬や鼻スプレーの使用。
- 鼻洗浄(生理食塩水を使用した方法)。
- 鼻腔拡張テープの使用。
2. 食事内容を工夫する
アレルギーがある場合でも、咀嚼回数を増やせる食材を取り入れることで、顎の発達を促進することが可能です。
硬めの野菜や肉類、歯ごたえのある果物などを意識的に取り入れましょう。
- おすすめの食品: アレルギー対応の硬い食材(例:煮たが柔らかすぎない野菜や、アレルギーに配慮したナッツ類)。
3. 歯科検診を定期的に受ける
歯並びや顎の発達に問題が生じやすい時期に、定期的な歯科検診を受けることで早期発見と予防が可能です。
特にお子様の場合、成長段階に合わせた矯正治療を行うことで、問題を未然に防ぐことができます。
- 最低限、この時期には来てほしい!おすすめのタイミング:
- 乳歯が生え始めた頃(1歳前後)
- 乳歯が生え揃った頃(3歳頃)
- 永久歯が生え始める5~6歳頃
4. 口腔機能を高めるトレーニング
口呼吸を改善し、歯並びを整えるためには、口腔筋機能療法(MFT)を取り入れることが効果的です。
トレーニングによって舌や頬、唇の筋肉を鍛えることで、歯並びの改善や予防につながります。
トレーニングはいくつか種類があり、歯科で練習できるのものあれば、おうちで簡単にでできるものもあります。
気になる場合は下の動画を参考にチャレンジしてみてください。
【楽しく舌を鍛える!おくちトレーニング】
4,早期発見の重要性
アレルギーが原因で歯並びに影響が出ている場合、早期発見と対策が非常に重要です。
お子様の成長段階において顎や歯列に問題があると、放置することで大人になってから抜歯を含む大掛かりな矯正治療が必要になる場合があります。
反対に、早期にわかれば負担の少ない治療で済むケースも多くあります。
アレルギーをお持ちで、お口の発育が気になる場合は、特に症状がなくても定期的に歯医者さんで検診を受けることが重要です。
~まとめ~
アレルギーは、口呼吸などから間接的に歯並びや顎の成長に影響を与えることがあります。
しかし、継続的に歯科医院で検診を受けて成長や発育状況に応じた適切な対応を行えば、必ずしも歯並びが悪くなるわけではありません。
アレルギーをお持ちでも、日常的な工夫やトレーニングで、予防できる場合もありますし、早期に問題が発見できれば簡単な治療で健康なお口を保つことも可能です。
当院では、お子様の歯並びについて無料でご相談も受付中で、専門スタッフがお子様ごとにアドバイスや治療をご提案しています。
検診と合わせて歯並び相談もできるので、お子さまの成長や口腔ケアについて心配がある方は、ぜひお気軽にご相談くださいね。
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